きょうは 十月三日
病院の窓の外は 光いっぱい
若いお父さんが
よちよち歩きの子どもの手をひいて
明けたばかりの 朝の
円山川の堤防を歩いている
一日のはじまりの
この爽快な朝の味を
ぜひ愛児にもという父親の愛情であろうか
あの子の お母さんも
きっと
家中の窓をみんなあけて
新しい空気を入れながら
朝の食事の用意をしているのだろう
光いっぱいの朝
わたしも やがて
光いっぱいの世界に帰らせていただける
きのうの残りの糸も切っていただく
腹の管も ぬいていただく
いのちをいただいて
やがて
光いっぱいの世界に
帰らせていただく。